呼吸器内科をご希望の場合、まずは内科予約外担当の外来にてご対応させていただき、担当医が必要と判断した場合に次回受診の呼吸器内科のご予約をおとりいたします。ただし、かかりつけ医や現在診療を受けている医療機関からの紹介状をお持ちの患者様に限り、初回受診時から専門診療科のご予約が可能です。
紹介状をお持ちの方の受付の流れ
慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)は、喫煙や有害物質の吸引を主な原因とする、進行性の呼吸器疾患です。気道の壁が炎症により狭くなる慢性気管支炎と、肺胞壁が破壊される肺気腫もCOPDに含まれます。
気管支の末端には小さな袋状の肺胞という組織が数億個あり、酸素を血液に取り込み、不要な二酸化炭素を排出するガス交換の役割をしています。
COPDになると肺胞などの肺の組織が壊れていくため、慢性的な咳や痰を伴います。新しい空気を吸い込む面積が少ないので、体を動かすと息苦しくなるのが特徴です。40歳以上の喫煙者に多く見られるようになり、高齢になるほど症状が強くなります。
喫煙 | COPDの最大の原因で、約90%が喫煙者といわれています。タバコの有害物質が肺や気管支の炎症を引き起こし、気道狭窄や肺気腫を促進します。長年副流煙を吸い込んでいる非喫煙者にもリスクがあるといわれています。 |
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大気汚染や職業性によるもの | 職業上取り扱う、粉じん、化学物質、農薬、煙などに長期間さらされると発症リスクを高めます。 |
遺伝的要因 | 日本人では希少ですが、α1-アンチトリプシン欠乏症という遺伝性疾患の場合、若い年齢でも発症リスクがあるといわれています。 |
問診でCOPDが疑われた場合は、肺機能検査(スパイロメトリー)、胸部X線、CT、血液検査などから評価します。スパイロメトリーは、COPDの診断に必須で、息を最大限吸い込み、そして強く吐き出して肺の容量や弾力性、気道の詰まり具合などを調べます。
COPDは完治が難しい病気ですが、医師の指導のもと治療を継続することで、症状を和らげ、進行を遅らせることが可能です。治療の基本は禁煙、薬物療法、運動療法を中心に進められます。
治療を止めてしまうと徐々に悪化し、重症になると自力での呼吸が難しくなり、酸素療法が必要になります。COPDの治療は、医師の指導のもと、しっかりと治療を継続することが呼吸機能の悪化を防ぐためにも重要です。
禁煙 | 喫煙を続ける限り病気は進行していくため、肺の機能悪化を防ぐには、禁煙が最も効果的な治療法です。自力で禁煙するのは難しい場合はニコチンパッチ・内服薬なども有効です。 |
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薬物療法 | 気管支を拡張する吸入薬を中心に、去痰剤を使用することもあります。感染症により増悪が起きた場合は、抗生物質や全身性のステロイドを使用します。 |
運動療法・呼吸リハビリテーション | 呼吸筋を高めるためにウオーキングなどの運動や、呼吸訓練などを継続することにより、肺機能の維持や、息苦しさの軽減が期待できます。 |
COPDは年月をかけて進行する病気ですが、風邪やインフルエンザ、肺炎などの感染症によって急激に悪化することがあり、これを増悪(ぞうあく)といいます。一度増悪を起こすと、肺のダメージが一気に進み、命に関わることもあります。
また、増悪を繰り返すことで、慢性的な低酸素状態となり、最終的に在宅酸素療法(HOT) が必要になります。
増悪を起こさない、繰り返さないことが非常に大切になってきます。憎悪の予防には、 インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチン等の接種が推奨されています。手洗い・うがいなどの感染対策を徹底することも重要です。