腎臓内科では、膠原病・リウマチの診療も行っています。腎臓内科をご希望の場合も、まずは内科予約外担当の外来にてご対応させていただき、担当医が必要と判断した場合に次回受診の腎臓内科のご予約をおとりいたします。ただし、かかりつけ医や現在診療を受けている医療機関からの紹介状をお持ちの患者様に限り、初回受診時から専門診療科のご予約が可能です。
紹介状をお持ちの方の受付の流れ
膠原病とは、本来ウイルスや細菌などの外敵から身を守る働きをする免疫機能が、誤作動を起こして自分の体を攻撃してしまう自己免疫疾患の総称です。 多くの種類があり、関節、皮膚、内臓などさまざまな場所に影響を及ぼす全身性疾患です。
中でも腎臓は、その影響を受けやすい臓器の一つです。
膠原病による組織へのダメージの影響が長く続くと、腎臓の機能が徐々に低下し、慢性腎臓病(CKD)へと進行するリスクが高まります。そのため、膠原病の患者さんは定期的な腎機能チェックが重要です。
※くわしくは【慢性腎臓病(CKD)の治療】をご覧ください。
当院では腎臓内科にて、日本腎臓学会、日本リウマチ学会、双方の資格を持つ専門医が診療を行います。特に、腎障害を伴う膠原病の早期発見と適切な治療に力を入れています。一人ひとりに合った治療をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
全身性エリテマトーデス(SLE) | 体の様々な場所に炎症を起こすため、発熱、倦怠感が現れ、臓器や皮膚など全身に影響を及ぼします。SLEによって引き起こされる腎臓の炎症をループス腎炎といいます。 |
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関節リウマチ | 免疫異常により関節が炎症し、関節の変形、腫れや痛みなどを引き起こします。関節リウマチで生産されるアミロイドという異常なタンパク質が腎臓に沈着すると、腎機能低下が起こることもあります。また、治療に使われる消炎鎮痛剤・抗リウマチ薬などの薬剤による、腎機能の影響にも注意が必要です。 |
全身性強皮症 | 全身性強皮症とは、皮膚の硬化や、内臓の線維化が特徴的な膠原病の一種です。寒さやストレスで指先の血管が収縮し、指先が白くなるレイノー現象が見られることもあります。重篤な合併症として、強皮症腎クリーゼという急激な腎機能の低下と重度の高血圧を引き起こすことがあります。 |
シェーグレン症候群 | 涙腺や唾液腺などの外分泌腺に炎症が起き、目や口の乾燥が起こります。合併症として腎臓の尿細管に炎症が起きる間質性腎炎が見られることがあります。 |
膠原病の診断は、患者さんの症状や検査結果を総合的に判断することが重要であり、専門的な評価が必要になります。
発熱や関節の痛み、皮膚の異常、口や目の乾燥などの自覚症状がある場合、血液検査で免疫異常の有無を確認します。自己抗体(抗核抗体や抗DNA抗体)が陽性の場合は、全身性エリテマトーデス(SLE)などの疑いが強まります。その他には、炎症の程度を示すCRPや赤血球沈降速度、尿検査ではクレアチニンや尿タンパクで腎臓への影響を確認します。
必要に応じてX線やCT、MRIなどの画像検査を実施します。特に、関節リウマチでは関節の変形を、全身性強皮症では肺の線維化を確認するために画像診断が役立ちます。また、腎臓が関与している場合は腎生検を行うこともあります。
膠原病の治療は、免疫の異常な働きを抑え、炎症をコントロールすることを目的として行われます。薬物療法を中心に、患者さんの病状に合わせ、組み合わせて行われることが多いです。
薬物療法 |
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リハビリテーション療法 | こわばった筋肉をほぐし血行を改善させ、痛みを和らげる目的で行われます。特に関節リウマチでは、関節を守りながら適度に動かすことで筋力低下を防ぎ、日常生活の質の向上を目指します。 |
生活習慣の改善 | 腎臓に負担をかけない食事、適度な運動、ストレスの軽減など生活習慣の改善も、治療の上で非常に重要です。また、膠原病の治療薬は免疫力を抑える働きがあるため、感染症にかかると重症化しやすく注意が必要です。日ごろから感染症対策はしっかり行います。 |