これまで脊椎の手術は、皮膚を大きく切開して筋肉を分ける必要があったため、体への負担が大きく回復にも時間がかかるものでした。
近年は「低侵襲手術(体にやさしい手術)」が進歩し、当院では内視鏡を用いた脊椎手術を積極的に行っています。
こうした内視鏡手術は、腰椎や頸椎の椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症などの疾患によく用いられています。
FESSで使用する内視鏡は直径7mmと非常に細く、従来に比べて、皮膚に開ける穴は最小で済み(直径1cm程度)、体の側面から内視鏡を入れて背骨にアプローチすることが可能です。また、生理食塩水を流しながら手術部位の映像を鮮明に映し出すため、神経を圧迫している骨や靱帯をピンポイントで正確に取り除けることが大きなメリットです。
筋肉や骨へのダメージが少ないため、高齢の方や持病をお持ちの方でも体への負担を抑えながら治療を受けられる可能性があります。多くの場合は、手術翌日から歩行可能で、社会復帰が早いのも特徴です。
※ご注意ください※当動画には、実際の内視鏡手術の映像が含まれています。体内の組織や軽度の出血が映る場面がありますので、苦手な方はご注意ください。椎間板ヘルニアや…

腰や足、首や腕の痛み・しびれが続くときは、早めに整形外科を受診してください。薬やリハビリの保存療法で改善が見られない場合に、内視鏡下手術が次の選択肢となります。近年は「できるだけ体にやさしい方法で治療をして、アクティブに過ごしたい」と希望される方も増えており、内視鏡手術は注目を集めています。
手術によってヘルニアの原因を取り除いても、低下した筋力がすぐに回復するわけではありません。術後は無理な動きを控え、リハビリを通じて少しずつ筋力を取り戻すことが大切です。再発を防ぐためには、正しい姿勢を意識し、日常生活に適度な運動を取り入れることも重要です。
また、痛みの原因が複数ある場合もあります。内視鏡手術では一度に1か所しか対応できないため、症状によっては2〜3回に分けて手術を行うことがあります。