スマートウオッチ外来

心電図機能付きスマートウオッチ

スマートウオッチとはCPU機能が内蔵された腕時計型のウエラブル端末を指します。スマートウオッチとスマホアプリを連携することで、手軽に心電図や心拍数、睡眠状態などの健康状態が把握できるようになりました。

その中でも心電図計測機能付きのスマートウオッチは、不整脈を示唆する不規則な心拍を検知すると通知してくれるため、医療機関を受診する方が増えています。

Apple Watchの場合、「不規則な心拍の通知」をオンにしておくと、時どき心臓の鼓動を確認して、心房細動を示唆する不規則な心拍リズムがないかどうかチェックします。(Appleホームページより抜粋)また、脈の乱れを感じた時に心電図アプリを起動して計測することもできます。

当院では、スマートウオッチで心房細動などの不整脈の兆候が検出された場合、心電図結果を用いた診察も行っております。

心電図計測機能があれば、スマートウオッチの機種は問いませんが、2025年現在、国内で家庭用医療機器として厚生労働省から承認を受けているのは、Apple Watchの心電図アプリケーションのみとなります。

このような通知が出たら
速やかに医療機関を受診しましょう

心電図アプリの留意点

厚生労働省の資料では、Apple の心電図アプリの留意点の一つとして、以下のように説明しています。

【スマートウオッチは、心房細動の兆候(心房細動を示唆する波形)の検出を補助的に行うものであり、従来の医師による診断に代わるものではない。通知結果は1つの参考指標であり、実際の病態と異なる可能性がある。】

上記にあるように、スマートウオッチでの結果のみで診断を確定することはありませんが、スマートウオッチが心房細動を感知した場合は、放置せずに速やかに医療機関を受診しましょう。当院の循環器内科には不整脈専門医も在籍しており、必要に応じて心電図、心臓エコー検査、ホルター心電図などを行い、最終的な診断をいたします。

また、スマートウオッチは全ての不整脈を感知したり、常時モニターするものではありません。胸痛や胸の苦しさなどの自覚症状がある場合は、スマートウオッチで異常が検出されなくても、すぐに医療機関を受診してください。

その他にも機種ごとに多くの留意点があるので、詳しくはスマートウオッチの説明書をよくお読みください。

ご注意:当院にてデータのプリントアウトをすることはできませんのでご了承ください。また、スマートウオッチや心電図アプリについての操作方法などのお問い合わせには、当院の医師やスタッフは対応できません。詳しい操作方法は販売元にお問い合わせください。

検知できる不整脈の種類

スマートウオッチで検知できる主な不整脈は“心房細動”です。※詳しくは不整脈ページを参照

心房細動は、心臓の上半分の部屋である心房で電気信号が無秩序に発生する状態です。心房が非常に速いペースで不規則に痙攣し脈が乱れるため、血栓ができやすく、心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。自覚症状がない方、病院での検査時に不整脈が出ていなかった方も、スマートウオッチで心房細動の兆候が検出されたら速やかに医療機関を受診しましょう。

また、故障でもなく、指示書通りに測定していても何度も“判定不能”という結果が出る場合は、心電図アプリが判定できない不整脈の可能性もあります。一度心電図データをご持参いただき、ご相談ください。

受診の流れ

循環器内科にて受け付けております。不整脈検出結果が分かる資料を、以下の①か②のいずれかの方法でご持参ください。

①不整脈が検知された心電図の結果をPDFに書き出し、ご自身でプリントしてご持参

②スマートウオッチ本体、または連携するスマートフォンの心電図アプリに表示された心電図の結果画面

結果の書き出し方法は機種によって異なります。各機種の説明書をご覧ください。

心房細動と診断された場合

心房細動の治療法には、発作を起こりにくくする薬物療法と、カテーテルを用いて、心臓内の異常な電気信号を発生させる組織を高周波電流で焼灼して根治を目指すカテーテルアブレーション治療があります。

心臓カテーテルアブレーションの手術時間は概ね2~4時間程度で、開胸をしないで済むため外科手術に比べて患者さんの負担が少ないのが大きなメリットです。当院での入院期間は通常2泊3日程度です。

詳しくは心臓カテーテルアブレーションのページをご覧ください

臨床研究においてのオプトアウトについて

医療におけるオプトアウトとは、臨床研究において患者さんへの侵襲や介入がなく、診療情報などの情報のみを用いて行う研究に適応します。これらの研究は、国が定めた倫理指針に基づき必ずしも対象患者さん一人一人から同意を得る必要はありませんが、研究の実施についての情報を通知することで、可能な限り拒否の機会を保障する方法を指します。

研究のために自分のデータが使用されることを望まれない方は、スタッフまでお知らせください。また、研究のご協力を拒否された場合においても、以後の診療において患者さんが不利益を受けることは一切ありません。

循環器内科