ピロリ菌外来【予約制】

ピロリ菌診療を一人でも多くの方に享受できるように

ピロリ菌治療の重要性

当院では、ヘリコバクター・ピロリ(以下ピロリ菌)治療が受けられます。

ピロリ菌の診療は、菌の検査→除菌療法→除菌判定という流れです。それぞれに複数の手法があり、また保険診療以外にも治療法が存在するため、診療に精通した専門医が対応することが望ましいとされております。

従来、ピロリ菌の保険診療の適応は、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や、早期胃癌内視鏡治療後などの疾患に限定されていました。しかしピロリ菌の除菌治療は、消化管潰瘍疾患の予防だけでなく、発癌リスクの減少効果が明らかであり、2013年2月に「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎(いわゆる慢性胃炎)」が保険適応となりました。この保険適応拡大以後、ピロリ菌診療の必要性・重要性は大幅に増多しております。

当院では、ピロリ菌感染を診断できる検査(6種類)がすべて可能であり、保険診療はもちろん、保険外の除菌治療の対応も可能です。

1982年のピロリ菌発見以降、その診療は着実に進歩し、特に日本人に罹患率の高い胃がんは予防できる時代となりました。この恩恵を一人でも多くの方に享受できるように、ピロリ菌診療を進めてまいりたいと思います。

日本ヘリコバクター学会 H.pylori感染症認定医
小倉 祥之

ピロリ菌とは?胃がんとの関係

ピロリ菌とよばれる細菌は、正式にはヘリコバクター・ピロリ(Helycobacter pylori)といい、ヒトなどの胃にいる螺旋(らせん)の形をした細菌です。

胃は胃液に含まれる塩酸が非常に強い酸性なので、細菌は生息することができないと考えられていました。しかし、1982年、オーストラリアのロビン・ウォレン博士とバリー・マーシャル博士は、ヒトの胃内で生息しているこの菌を分離して培養することに成功しました(2005年、ノーベル生理学・医学賞受賞)。
ピロリ菌は胃に感染すると慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍の原因となり、胃がんや悪性リンパ腫などの悪性疾患との関連性も指摘されています。

ピロリ菌に感染しているかどうかの検査法は、内視鏡検査(胃カメラ)をして胃粘膜を調べる方法や、血液検査・便検査、あるいは呼気試験など、いくつかの検査法があります。
ピロリ菌の除菌治療は、胃薬と抗菌薬(抗生物質)を複数組み合わせた内服治療により行われます。
除菌治療が成功すると、胃炎の改善・消化性潰瘍の予防・胃がんの予防などが期待できるため、積極的にピロリ菌の検査・治療をお勧めしております。

治療の流れ

ピロリ菌感染の検査項目

除菌の判定検査に行われる検査項目には、内視鏡を伴う検査と伴わない検査があり、以下の6種類の検査が可能です。

内視鏡を伴わない検査

尿素呼気試験 特殊な検査薬を飲み、呼気(吐き出した息)を採取して検査をする方法になります。
ピロリ菌がもつウレアーゼのはたらきで作られる二酸化炭素(CO2)の量を調べます。空腹時に行う検査となります。
※検査に影響があるため、2週間前より以下のものは控えてください。
  • LG21入りヨーグルト
  • 胃薬(タケプロン・オメプラゾール・パリエット)
  • 胃粘膜保護薬
抗体測定 尿や血液のピロリ菌に対する抗体の有無を調べる検査です。菌量が少ない場合にも有効とされています。
糞便中抗原測定 糞便中のピロリ菌に対する抗原の有無を調べる検査です。

内視鏡を伴う検査

鏡検法 採取した組織を染色して顕微鏡で観察することにより、ピロリ菌の有無を調べます。
迅速ウレアーゼ ピロリ菌のもつ酵素の働きで作り出されるアンモニアを調べて、ピロリ菌の有無を調べる検査です。
培養法 採取した組織を用いて培養し、ピロリ菌が増えるか調べる検査です。ピロリ菌が確認されれば除菌治療の際の抗生物質への感受性の有無を調べるのにも役立ちます。

除菌療法

除菌の成功率

ピロリ菌の除菌は一次除菌薬を1週間内服していただき、内服終了後約6週間後に除菌判定を行います。残念ながら不成功となった場合は二次除菌となります。

一次除菌 70%程度
二次除菌 90%程度

ご予約について

ピロリ菌外来は、消化器内科の専門外来で行う、完全予約制での診察となっております。

ピロリ菌治療をご希望の場合も、まずは内科予約外担当の外来にてご対応させていただきます。

かかりつけ医や現在診療を受けている医療機関からの紹介状をお持ちの患者様は、地域医療連携室に直接お持ちください。

ご予約・お問い合わせ

045-825-2111(代表)

消化器内科