狭心症は、心臓の冠動脈が狭くなり十分な酸素や栄養分が届かなくなる病気で、類似した症状である心筋梗塞と合わせて虚血性心疾患とも呼ばれます。
主な症状は胸の痛みや圧迫感で、坂道を登ったり重いものを持ったりして心臓の負担が増えたときに発生し、数分休むとおさまるという症状が多く見られます。狭心症は、心筋梗塞の前兆となることがあるため、適切な診断と治療が重要です。
当院では、採血、レントゲン、心電図、心エコー検査で緊急性を判断し、緊急性がない場合は、造影剤を使用した冠動脈CT検査で心臓の血管の狭窄や閉塞の程度を診ます。運動をして心臓に負荷をかけたときの心電図変化をみる運動負荷心電図の検査をすることもあります。
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狭心症の患者様には、心臓のカテーテル検査を行い、心臓の3本の血管のうち、どの血管がどのように細くなっているかをより詳細に診断します。 カテーテル検査の結果に基づき、投薬治療かカテーテル手術かを検討します。
狭心症によく似た症状を伴う病気に心筋梗塞がありますが、狭心症は冠動脈が狭まってはいるが、いくらかは血流がある状態です。
対して心筋梗塞は、動脈硬化に伴うプラークの破裂や血栓などにより冠状動脈が完全に閉塞し、心筋に血液が供給されなくなることで心筋が壊死する状態です。
心臓カテーテル手術は、狭くなった冠動脈を広げるための治療法です。2~3ミリくらいの細い管(カテーテル)を手首、肘、足のいずれかの動脈に挿入し、血管の狭くなった部分でバルーン(風船)を膨らませて、血管を広げます。
必要に応じて、血管を広げた部分にステント(小さな金属製の網状チューブ)を留置し、再び狭くならないようにします。
手術時間は通常1~2時間程度で、局所麻酔で開胸をしないで済むため、入患者さんの負担が少ないのが大きなメリットです。当院での入院期間は通常2泊3日程度です。
冠動脈IVLシステム(shockwave)とは、冠動脈硬化の治療に用いられる新しい技術で、衝撃波を血管内から照射し、石灰化したプラークを破砕する治療法です。2022年12月に薬事承認された最新鋭の装置で、当院では2024年より導入しました。
従来の石灰化を削る治療とは異なり、細かい粒子が下流により血管を詰まらせたり、血管に傷をつけるリスクが低いのが特徴です。shockwaveでプラークが破砕された後は、通常のバルーン拡張やステント留置を行い、血管を広げます。
石灰化した硬いプラークも効果的に破砕できるため、高度に石灰化した冠動脈狭窄症など、従来のバルーンやステントで治療が困難なケースにも有効です。
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