CVポート・PICCの効果

CVポート・PICCの効果

CVポートの効果

利点

  1. CVポートでは大きなセプタム部分に簡単に刺すことができるので1回で確実に針を刺すことができます。
  2. 一方で従来、広く行われている末梢静脈留置針の場合、血管が細いもしくは血管が脆い場合、針を何度も刺し直す場合があるので苦痛を伴うことがあります。
  3. 患者さんの体格にもよりますが、外見上、埋め込んだ部分はそれほど目立たず、生活にほとんど支障はありません。
  4. CVポートを留置している場合、両腕を自由に動かすことができるので、薬剤投与中に本を読むこともできます。一方、末梢静脈留置針の場合、腕を動かすことによって薬剤の漏れなどの危険性があるので、腕の動きが多少制限されます。カテーテルの先端は太い血管に留置しているので、薬剤を投与するとき刺激の強い薬剤を投与しても静脈炎が起こる可能性が少なくなります。
  5. 長時間かけて薬剤を投与する場合は、入院が必要なこともありますが、CVポートであれば体内に埋め込んでいるので、自宅で治療を行うことが可能となります。CVポートへの針の抜き刺しは、入院中および外来では医師や看護師が行いますが、自宅で治療を行う場合は患者さんご自身で行うことも可能です。
  6. きちんと管理をすれば感染率も低く、年余にわたって長期間使用することができます。

留意点

  1. 使用するには小さな外科的手術が必要です。
  2. 合併症が起こる可能性があります。(挿入に伴うもの、埋め込み手術に関するもの、埋め込んだ後の合併症)
  3. 異物を体内に入れることに不安を感じる方がおられます。

当院では前胸部(内頸静脈穿刺)及び上腕へのポート挿入に対応しています。

画像1:CVポートの効果 画像2:CVポートの効果

PICCの効果

利点

  1. 長期間治療が必要な場合でも、末梢静脈留置針のように定期的な入れ替えは基本的に必要ないので、何度も針で刺される苦痛がありません。
  2. 適切な管理を行なうと、長期間使用することができます。
  3. 腕から挿入するので、鎖骨や首の付近から挿入する際に発生しうる、肺や大きな血管を損傷するなど命にかかわるような合併症は起こりません。
  4. カテーテルの先端が太い静脈(中心静脈)に位置しているので、刺激の強い薬剤を使用しても、血管を痛めることがありません。

留意点

  1. 長いカテーテルが血管の中に入るので、静脈炎を起こすことがあります。
    ※温めるなどして様子を見ると解消される場合が多いようです。
  2. カテーテルが詰まって、使用できなくなることがあります。
    ※薬剤の投与や採血の後にしっかりとカテーテルの中を洗浄することにより、予防できます。
  3. カテーテルが体の外に出ているので、ひっかけないようにするなど管理に注意が必要です。

CVポート・PICC外来