ボツリヌス療法の効果・副作用

ボツリヌス療法について

ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンと呼ばれるたんぱく質を有効成分とする薬を筋肉内に注射し、痙縮の改善を図る治療法です。ボツリヌストキシンを筋肉内へ注射すると、筋肉の緊張をやわらげ、痙縮を改善することができます。
ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はありません

図:ボツリヌストキシンを筋肉内へ注射

現在、その他にも保険適応となっている病気は脳卒中による眼瞼けいれん、片側顔面けいれん、痙性斜頸があります。これらの症状に対して、内服薬による治療が困難な場合にボツリヌス療法が必要か判断されます。

※痙性斜頸:首や肩の筋肉が意志とは関係なく収縮し、首が傾いた状態になること。

ボツリヌス療法の効果について

ボツリヌス療法によって、次のような効果が期待できます。

画像:ボツリヌス療法の効果

  • 手足の筋肉がやわらかくなり、曲げ伸ばしがしやすくなることで、日常生活動作の制限が軽減されます。(手を洗いやすくなる、装具がつけやすくなる、くつが履きやすくなる、など)
  • リハビリテーション(ストレッチ含む)を行いやすくなります。
  • 関節が固まって動きにくくなったり、変形するのを防ぎます(拘縮予防)。
  • 痛みをやわらげる効果が期待できます。
  • 介助の負担を軽減することが期待できます。(着替えの補助、衛生ケアがしやすいなど)

ボツリヌス療法の副作用について

ボツリヌス療法を受けた後に、副作用として以下のような症状があらわれることがまれにあります。これらの症状は多くが一時的なものですが、症状があらわれた場合には、医師に相談してください。

  • 注射部位が腫れる、赤くなる、痛みを感じる
  • 体がだるく感じる、力が入りにくい

ボツリヌス療法外来【予約制】