ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法

当院では、過活動膀胱に対する治療法として、「ボツリヌス毒素(ボトックス®)膀胱壁内注入療法」を実施することが可能です。

ボツリヌス毒素(ボトックス®)膀胱壁内注入療法とは

A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス®)の有効成分はボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素です。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は膀胱鏡というカメラを用いて膀胱の壁内(筋肉)にボツリヌス毒素を注射する治療です。実施に際しては、腰椎麻酔(下半身麻酔)、全身麻酔(静脈麻酔)、膀胱局所麻酔(麻酔薬の膀胱内注入)の何れかで行います。膀胱の筋肉に細い針でボツリヌス毒素を100~200単位、20~30箇所に分けて注入します。手術時間は10~20分程度です。外来でも治療可能ですが、安全性を十分考慮し、基本的に入院での治療をお勧めしています。

効果は通常、治療後2~3日であらわれ、4~8ヵ月にわたって持続します (効果の程度や持続期間には個人差があります)。効果が不十分な場合、または薬の効果が弱まり症状が再発した場合は、前回投与より3ヶ月経っていれば再投与を考慮します。難治性過活動膀胱に対するボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法は、当科外来にて慎重にその適応を検討し、治療を受ける患者様と十分な話し合いを行った上で治療を行っております。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の適応となる患者様

既存の治療薬で十分な効果が得られない患者様が対象です。
具体的には、

  • 4週間以上の内服治療を受けているが、十分な効果がなく尿失禁が改善されない。
  • 2週間以上の内服治療を受けたが、副作用の為、服薬が減量あるいは中止になった。

患者様が対象になります。前述の様な患者様、一日に平均8回以上の頻尿があり、3回以上の切迫性尿失禁があり尚かつ、残尿量が100ml以下である患者様がよい適応と考えております。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の副作用

排尿困難、尿路感染症、尿閉、遠隔筋への影響、自律神経異常反射などがあります。国内で行われた臨床試験では、尿が出しにくくなる排尿困難を起こした人は9%、尿路感染が9%、尿閉が5%で見られています。また、血尿が見られる場合もあります。

ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法の流れ

A型ボツリヌス毒素製剤(ボトックス®)は患者様毎に登録が必要な薬剤ですので、予め施行日を決めそして薬剤を準備する必要があります。当院での施行までの流れを説明しています。

1 外来での術前検査(採血、尿検査)・同意説明

外来にて感染症等の必要な検査を行います。
薬剤の登録およびボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法に対する同意説明を行います。

2 治療当日

抗生剤の点滴の開始し、手術室に移動していただきます。
はじめに麻酔を行います。準備が整ったところで内視鏡を膀胱内に挿入し、極細の注射針を用いて膀胱の筋肉内に20~30箇所、0.5mlずつ調整されたボトックス注射液を注入していきます。おおむね10~20分程度で注入は完了いたします。
終了後は病室にご移動いただき、経過観察を行います。この間に、排尿をしていただき、血尿の具合と排尿状態に問題無いことを確認いたします。

3 再診時

残尿測定等を行います。ここで問題なければ2~4週毎に排尿障害の有無などを確認しています。

ご予約・お問い合わせ

担当医

泌尿器科:松橋 恵理子医師

診療日

  • 松橋 恵理子 医師:月曜午後、水曜午前、第1・3・5土曜午前

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  • 午前8:00~11:45
  • 午後1:00~4:00

お問い合わせ・ご予約

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東戸塚記念病院(代表)045-825-2111
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平日8:30~17:30 土曜8:30~12:30

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